チャイルドラインとは

チャイルドラインは子どもの権利条約に基づく子ども観のもと、
子どもの声を聴き、こころを受けとめ、受けとめた声を社会に発信することで
子どもの生きやすい社会を目指しています。

わたしたちは多くの皆様からの支援やボランティアに支えられ、活動しています。
そして、私たちだからこそ知りうる子どもたちの現状を社会へと情報発信し、
子ども達をとりまく環境の整備のため働きかける行動もしています。

チャイルドライン相関図

チャイルドライン活動

子どもの気持ちを聴くことで、子どもが自分で考え自立することを支援します。
チャイルドラインは、問題の解決を目的とせず、子どもの「気持ち」を聴くことを大切にします。心の叫びになかなか耳を傾けてもらうことのなかった子どもが、チャイルドラインをきっかけとして、自ら歩みだすこともあるかもしれません。また、話を一所懸命に聴いてもらった経験は、次に困難な出来事に出会ったとき、誰かに言ってみようかなという気持ちを起こさせるかもしれません。わたしたちは、子どもたちにとって、ホッとできる「こころの居場所」となるよう活動しています。

フリーダイヤル事業
(電話相談)

  • 18歳までの子ども専用
  • 全国共通フリーダイヤル 0120-99-7777
  • 実施時間 毎日16時~21時
  • 子どもからの着信は年間20万件
  • 約2000人のボランティアが交代で電話を受けています
  • ボランティアは継続的な研修を受け、子どもと向き合います
  • 子どもの声を社会に発信します

オンラインチャット相談

社会状況の変化により、子どもたちが親しんでいるコミュニケーションのツールが電話からメールやSNS、LINEなどに変化しました。また、多くの子どもから、「話し声が聞こえてしまうから電話はかけにくい」など電話以外のツールでの相談を求める声が寄せられています。
チャイルドラインでは、電話と似た双方向のコミュニケーションができる文字による「チャットシステム」を使い子どもからの相談を受けています。(2016年より)

子どもへの「4つのやくそく」

チャイルドラインは子どもたちが安心して相談できるように子どもに「4つの約束」をしています。

ヒミツはまもるよ・・・子どもが安心して話をできる場を提供するため、話の内容をそのまま第三者に伝えることはしません。

どんなことも一緒に考える・・・特別な悩みだけでなく、どんな些細なことでも一緒に考えることを約束しています。

名まえは言わなくていい・・・お互い匿名で相談することで、子どもが安心して話をできると考えています。

切りたいときはいつでも電話、チャットを切っていい・・・話をするかどうかは子どもが主体的に選択できます。

「子どもの話を聴く」ということ

~子どもは同じ社会を構成する対等なパートナー
子どもの話を聴くとき、主人公は子どもです。子どもが安心して話ができるように、お互いに名前などの個人情報は明かしません。子どもを一人の人間として受けとめることで、子どもの目線に立ってものごとを理解し、子どもの主体性を尊重し、大人の考えを押し付けないように気をつけて話を聴いていきます。
子どもがもともと持っている自己解決力を信じ、話を聴いていくことで、子ども自身が気持ちを整理できることもあります。誰かに話をすることで気持ちが軽くなったり、次の一歩を踏み出せるようお手伝いしています。

自己肯定感を高めるアウトリーチプログラムの提供

子どもたちと直接関わり、いじめや自殺などを予防するアウトリーチプログラムの開発、実施に取り組んでいます。
子どもたちが自分の感情に気づき、他者との違いを認め良好なコミュニケーションが取れるようになることや自己肯定感を高め、いじめや自殺の予防に寄与することを目指しています。

自己肯定感(自尊感情)

自分のあるがままの姿を受けとめ、「自分は大切な存在だ」と心から思える、自分のことを肯定的にとらえられる感情のことで、英語の「セルフエスティーム(Self-esteem)」を訳したものです。

日本の子どもや若者は諸外国と比べ、自己肯定感が低いという調査結果があります。また自己肯定感が低いことがいじめや自殺念慮へ影響していると考えられるため、子どもたちの自己肯定感を高めることは教育課題にもなっています。

(文科省「子どもの発達段階ごとの特徴と重視すべき課題」子どもの発達段階に応じた支援の必要性)
http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chousa/shotou/053/gaiyou/attach/1283165.htm

チャイルドラインのミッション・理念

「子どもの権利条約の理念に基づき、子どもの「声」を受けとめることで、子どもがありのままで安心できる心の居場所をつくります。
また受けとめた「声」を社会に発信し、子どもが生きやすい社会をめざします。」
というミッションを掲げ活動しています。
特に第3条にある「子どもの最善の利益」を一番に考えています。
(「子どもの権利条約」は1989年に国連で採択された国際条約で、日本は1994年に批准しています。)

チャイルドラインから見える子どもたちの今

チャイルドラインは毎年18万件以上の電や話チャットで子どもの声を聴いています。内容は話し相手を求めるものから深刻な悩みまでさまざまです。

  • うれしかったことを誰かに聴いてもらいたい
  • 自分の気持ちを確かめたい
  • 混乱した感情を整理する
  • 抱えていることを話してホッとする
  • 親や先生に言えない深刻な悩みを誰かに相談したい
フリーダイヤル 2022年度 1日あたり
発信数 410,720件 1,144件
着信数 184,627件 514件
かけた人数 72,321人 201人
つながった率 63.4%
会話成立(子ども) 42,963件
オンラインチャット 2022年度 開設日Ⅰ日あたり
訪問件数 133,447件 717件
書き込み件数 32,327件 174件
対応件数 11,817件 64件
ユニーク訪問件数(のべ) 80,123人 431人
つながった率 40.3%
会話成立(子ども) 7,757件
電話・オンラインチャット合計 動機(2022年度)
話を聴いてほしい 40,983件 80.8%
答えが欲しい 6,352件 12.5%
誰かとつながっていたい 2,017件 4.0%
お試し 693件 1.4%
チャイルドラインについて 160件 0.3%
社会資源情報を求める 51件 0.1%
実際に動いて欲しい 26件 0.1%
その他 438件 0.9%
合計 50,720件 100%

【参考】主訴上位10項目(2016年4月1日~2017年3月31日)

主訴上位10項目
人間関係 20.5%
性への興味関心 14.1%
雑談 11.4%
心に関すること 9.5%
いじめ 6.1%
恋愛 5.3%
身体に関すること 4.7%
進路・生き方に関すること 3.3%
成績・勉強 3.2%
虐待 2.6%
その他 19.3%
主訴グラフ

わたしたちの社会的責任(アドヴォカシー社会発信事業) ~子どもの生きやすい社会をめざして

子どもの「声」から気づいたことを社会に発信し、子どもの育つ環境が整うことを目指します。
子どもたちの「声」からは、さまざまな大人の姿や、社会の歪みが見えてきます。子どもの声を聴く大人の責任として、そこから見える子どもたちの状況を社会に伝えていくことは、チャイルドラインのもうひとつの大きな役割です。子どもが豊かで幸せに生きることのできる社会をつくるために、子どもの現状を伝え、子どもをとりまく環境の何が問題なのか、社会をどのように変えていく必要があるのか問題提起していきます。

〈分析・報告書〉

  • フリーダイヤル10年 チャイルドラインに届いた声から子どもの状況を分析(2019-2020)
    フリーダイヤル実施10年間に蓄積した500万件の子どもの声のデータを整理し、
    ツール、年齢、性別、主訴別等をクロス集計して、深刻な主訴をもとに、
    名古屋大学大学院教育発達科学研究科准教授の内田良氏に参加いただき、分析し報告書にまとめました。
  • 子どもの貧困に関する調査分析(2016-2017)
    子どもの6人にひとりが相対的貧困であるとの発表を受け、
    チャイルドラインにかけてくる子どもと貧困の相関性、
    また、その子どもたちの声 から、必要とされている支援について分析しました。
  • 子どもの声の分析プロジェクト(2016)
    ~自己肯定感が育ちにくい今の社会を子どもの声から考える
    数値上のデータから見えるものと、電話の現場に身を置いているからこそとらえられる感覚を大切に、
    今の日本の子どもたちの最も重要な SOSの絞り込みを行うこと目的とし、
    2014年の子どもの状況をデータ分析しました。
  • 被災地からの電話の分析「東日本大震災子どもたちへの影響」(2014)
    チャイルドラインに寄せられた被災直後から4年間の子どもの声の記録と現地からのレポート。
    被災地や避難先からの子どもの声から考えさ せられることの多さに驚きます。
    そして、そのことをわたしたちは伝え続けます。被災地の子どもたちの震災はあの日に始まり、
    まだ終わっていません。

〈社会への働きかけ〉

  • チャイルドライン支援議員連盟(超党派)との協働
2022年12月5日
チャイルドラインからみえる子どもの現状と果たしていきたい役割
国会議員および関係省庁:内閣官房・内閣府・厚生労働省・文部科学省・法務省・警察庁
2020年11月25日
チャイルドラインからみえる子どもの状況
~ COVIC-19の影響を受けている子どもの状況とともに ~
国会議員および関係省庁:内閣府・厚生労働省・文部科学省
2019年11月21日
チャイルドラインフリーダイヤル10年の振り返りと2018年度実施 子どもへの社会調査の報告
国会議員および 関係省庁:内閣府・厚生労働省・文部科学省
2019年3月19日
「児童虐待の防止等に関する法律」の改正に向け、子どもの生きやすい社会実現のために、チャイルドラインと
して法制化への要望書を提出
2018年12月7日
チャイルドライン活動20年、蓄積してきた子どもの声のデータの有効活用の呼びかけ
国会議員および 関係省庁:内閣府・厚生労働省・文部科学省
2017年3月29日
「SDGs(持続可能な開発目標)」を念頭にした日本の子どもに関係する取り組みついて勉強会を開催(2017年3月29日)。内閣府・厚生労働省・文部科学省・外務省の関係部署へのヒアリングを行った。
2014年11月7日
「ストップ!子どもへの暴力」
子どもすこやかサポートネットと連携し、体罰を含む暴力禁止法制化の必要性についての勉強会
2014年5月14日
「県外避難の子どもたちはいま・・・」
原発避難により福島県から他県へ避難している子どもたちの現状についての勉強会

引き続き、子どもの生きやすい社会を作るため、2016年1月発効したSDGs(持続可能な開発のための2030アジェンダ)に盛り込まれた17の目標に向かって、日本の子どもたちが取り残されないようしっかりと政策に盛り込まれるよう働きかけをしていきます。

チャイルドラインのしくみ

チャイルドラインは電話・オンラインチャット実施団体とチャイルドライン支援センターが協働で行っている事業です。現在全国38都道府県に68の電話実施団体と25のオンラインチャット実施団体があります。子どもたちの話に耳を傾けるのは「受け手」と呼ばれるボランティアです。各地のチャイルドライン実施団体が受け手を募集、養成し、交替で全国の子どもからの電話・オンラインチャットを受けています。実施団体は地域の子どもたちにチャイルドラインを周知する広報活動を担い、チャイルドライン支援センターは、フリーダイヤルやチャット事業の運営、管理を行っています。そして全国のチャイルドラインの相談の質が向上していくよう全国研修を企画運営し、子どもの生きやすい社会の実現のための社会発信を行います。
チャイルドラインの名称は、目的外に使用されないよう商標登録されています。

全国各地のチャイルドライン

チャイルドライン支援センターについて

法人概要

名称 特定非営利活動法人チャイルドライン支援センター(認定NPO)
(英語表記 Childline Support Center Japan)
所在地 〒162-0808 東京都新宿区天神町14 神楽坂藤井ビル5階
連絡先 TEL: 03-5946-8500(平日10時~17時)
FAX: 03-5946-8501
Email: info@childline.or.jp
設立 1999年(平成11年)1月14日
法人格取得 2001年(平成13年)5月17日(内閣府)
認定取得 2016年(平成28年)2月25日(東京都/認定番号:27生都地第1856号)
事業報告
2022年度 PDF2022年度 子どもが幸せに暮らせる社会を創る活動 JKA補助事業
2021年度 PDF2021年度 子どもが幸せに暮らせる社会を創る活動 JKA補助事業
2020年度 PDF2020年度 子どもが幸せに暮らせる社会を創る活動 JKA補助事業
2019年度 PDF2019年度 子どもが幸せに暮らせる社会を創る活動 JKA補助事業
2018年度 PDF平成30年度 こどもが幸せに暮らせる社会を作る活動 JKA補助事業
2017年度 PDF平成29年度 こどもが幸せに暮らせる社会を作る活動 JKA補助事業
2016年度 PDF平成28年度 こどもが幸せに暮らせる社会を作る活動 JKA補助事業
2015年度 PDF平成27年度 こどもが幸せに暮らせる社会を作る活動 JKA補助事業
2014年度 PDF 2013年度 PDF
決算報告
2022年度 PDF 2021年度 PDF 2020年度 PDF 2019年度 PDF 2018年度 PDF 2017年度 PDF 2016年度 PDF 2015年度 PDF 2014年度 PDF 2013年度 PDF
事業計画
2023年度 PDF 2022年度 PDF 2021年度 PDF 2019年度 PDF

世界のチャイルドライン

子どものためのホットラインの活動(チャイルドヘルプライン)は、現在147の国や地域で実施されています。世界各地のチャイルドヘルプラインをネットワークしている「Child Helpline International (CHI)」に、日本のチャイルドラインも参加しています。

企業・他機関との連携

補助:
  • 厚生労働省「自殺防止対策事業」
助成:
  • JKA 「競輪補助事業」
後援(2022チャイルドライン全国キャンペーン):
  • 内閣府、文部科学省、厚生労働省、総務省
  • 公益社団法人 日本小児科医会
  • 公益社団法人 日本医師会
  • 社会福祉法人 全国社会福祉協議会
  • チャイルドライン支援議員連盟
  • 一般社団法人いのちの電話
  • 特定非営利活動法人日本NPOセンター

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