ルッキズム

ヘンな問題もんだいだと思おもいましたか。「キツネかウサギか」というだけで性格せいかくまではわかりませんよね。それでも「キツネだと思おもう」と答こたえた人ひとが一番いちばん多おおくて、「ウサギだと思おもう」と答こたえた人ひとが少すくなかったのは、絵本えほんやイラストなどで無意識むいしきのうちに「キツネはずるがしこい」「ウサギはおとなしくてやさしい」というイメージを植うえ付つけられているのかもしれません。
思おもい込こみだけで決きめつけるのはまちがいのもとなので、気きをつけたいですね。

この童話どうわは「みにくいアヒルが白鳥はくちょうに生うまれ変かわった」というおはなしではなく、本当ほんとうは「アヒルのお母かあさんやきょうだいたちと育そだった白鳥はくちょうが、大おおきくなって自分じぶんが白鳥はくちょうだと気きがついた」というおはなしなのです。この童話どうわを前まえから知しっていた人ひとも、そういう物語ものがたりとは思おもわなかったかもしれません。周囲しゅういのアヒルと見みた目めが違ちがうために「みにくい」と小ちいさいときからいじめられ、つらい思おもいをしてきた白鳥はくちょうの子こが、美うつくしくなって最後さいごは報むくわれた、だからよかった、と思おもえるようにしめくくられます。だから「アヒルが最後さいごに幸しあわせになってよかった」と思おもった人ひとが多おおいのはうなずけます。
でも「みにくい」からいじめられて、「美うつくしい」から幸しあわせというのは何なにかちがうんじゃないか、おもしろくない、と思おもう人ひとがいてもふしぎではありません。「モヤモヤする」という感想かんそうもありです。

「脚あしが長ながくてやせている」「かわいい」「イケメン」などにあこがれる気持きもちは悪わるいことではありません。そういう人ひとをうらやましいとか、得とくをしているとか思おもうこともあるでしょう。ただ、外見がいけんのいいか悪わるいかは人間にんげんの「人ひととしての価値かち」のほんの一部いちぶに過すぎないことを知しっておくのは大事だいじなことです。

「ルッキズム」という言葉ことばが聞きかれるようになったのは、「それっていいことなのか、考かんがえ直なおしてみよう」と考かんがえる人ひとが増ふえてきたことの現あらわれかもしれません。チャイルドラインがみなさんに覚おぼえておいてほしいのは、生うまれ持もった顔かおかたちなど自分じぶんの力ちからで変かえられないもので人ひとを評ひょう価かすることは、「ありのままでいていい」という「人ひととしての権利けんり」の侵害しんがいだということです。姿すがたかたちをほめることは決けっして悪わるいことではないけれど、それを理由りゆうに人ひとをおとしめたり、傷きずつけたりするのはまちがいです。
そのことはわかっていても、世よの中なかにあふれる「ルッキズム」におとなたちも支配しはいされているなあと感かんじます。みなさんも、周まわりにある「ルッキズム」について考かんがえてみてくださいね。