作家 あさのあつこ 様
コロナ騒動を経たことで、薄皮一 枚で隠されていたこの国の暗部がわらわらと明るみに出た。そんな気がしてなりません。貧富の差、脆弱な社会システム、国の危機管理能力の乏しさ等々。露呈したものはたくさんあるけれど、子どもたちの問題がなおざりにされていく状況もその一 つです。子どもを本気で守ろうとしない、支えようとしない国に未来を語れるわけがありません。チャイルドラインは大人たちの良心と決意と信念の証であり、希望そのものだと思います。
コロナ騒動を経たことで、薄皮一 枚で隠されていたこの国の暗部がわらわらと明るみに出た。そんな気がしてなりません。貧富の差、脆弱な社会システム、国の危機管理能力の乏しさ等々。露呈したものはたくさんあるけれど、子どもたちの問題がなおざりにされていく状況もその一 つです。子どもを本気で守ろうとしない、支えようとしない国に未来を語れるわけがありません。チャイルドラインは大人たちの良心と決意と信念の証であり、希望そのものだと思います。
子どもたちにとっては、コロナも怖いが、コロナ関連被害も怖いー小児科学会がそう警鐘を鳴らしていました。学びや遊びの機会が減少し、居場所が奪われ、在宅によってストレスや虐待リスクが高まることもある。新型ウイルスが将来に禍根を残さないために、これからの世の中を担ってくれる子どもたちの未来を明るいものにするために、今、子どもたちの声に耳を傾ける存在が必要です。
子どもは、学校と家庭の間を往還するなかで、ときに苦しみや悲しみを深め、さらにはそれを一 人で抱え込んでいくことがあります。笑っているようで、心の奥で泣きじゃくっていることもあります。ʻʻだれにも言えないʻʼ― この苦悩をいつでも受けとめてくれるのがチャイルドラインです。先生も家族も友人もだれも信じられないときでも、声を聴いてくれるおとなが必ずいる。希望は、これからも生きつづけます。