小中高生が生きていこうと思える
社会であるために
新年早々、痛ましい大地震や事故が起こりました。非常時にはどうしても子どもの気持ちが後回しになってしまいがちです。また、直接被害に遭っていなくても、報道などで子どもの心は揺れ動いています。どんなときでも、子どもの気持ちが聴かれる環境をぜひ一緒に作っていってほしいと思います。
普段から子どもの様子を受けとめる
子どもの困りは日常的にあります。さまざまな困りが複合的に重なり追い詰められる要因となっていきます。そして子どもは自分自身の困りを明確にできず、もやもやとした思いを抱えていることもあります。普段から子どもの様子を受けとめていることで変化が見えるので、日ごろのコミュニケーションが大切です。
子どもに居場所があるか
子どもはおとなより狭い世界で生きています。そんな狭い世界のなかで居場所を失うことは逃げ場を失うことになります。物理的な居場所、精神的な居場所がひとつでもあれば生きることができるのではないでしょうか。そして、子どもから信頼され、子どもの居場所のひとつとなれるおとなが一人でも多くいてほしいし、わたしたちもそうなりたいと思っています。
子どもの気持ちに目を向け、耳を傾ける
子どもを受けとめるためには、まず「子どもの気持ちや言いたいことを否定せずに最後まで聴くこと」が大切です。おとなとしてアドバイスや苦言を言いたくなる気持ちを抑えて聴くこと。「子どもをありのまま受けとめる」ことが、子どもの存在を認めているメッセージとなります。受けとめてもらえることがおとなへの信頼につながり、自分は生きていていい存在だと実感できるのです。
普段から子どもの様子を受けとめていてこそ変化が見えます。子どもがつらい気持ちを一人で抱えて悲しい選択をせず、「生きていこう」と思える世の中になるためには、おとなや社会が子どもの気持ちに目を向け、耳を傾けられるようになることが必要です。
子どもの権利条約にもありますが、子どもの命を守るのはおとなの義務です。「おとなに守られている」と子どもが安心して成長していける社会を一緒に作っていきましょう。
2024年1月